静かなる争い・教室から部室まで


放課後。
授業が終わると共に、猿野天国は眼鏡をはずそうとする。

「にーちゃんっ部活いこー!」
「…(にこ)。」

「猿野くーん、部活行くっすよー。」

とりあえず3人ほど、教室まで迎えに来る。


「おう、今行くわ。」

廊下に出る。


「猿野君。行きましょうか。ほら、犬飼君も。」
「…ああ。」


二人合流。

女子が居ないのは残念だが、とりあえず1年レギュラーは全員集合。


しばらくすると向こう側から他の1年部員達も来た。

「おーい、オレらも一緒に行くぜ。」
「おう。お前らも今終わり?」
「珍しいっすねー。こんなに揃うの。」
「ああ、お前らレギュラーはけっこ揃う…あれ?」


「あ。」


「何だよ?」

国定が何かに気付いたのか、天国の顔を見ていた。
天国は怪訝な顔をする。

国定は言った。

「猿野、眼鏡かけてたのか?」

「あ。」


そういえば今日取るの忘れてたな、と天国は笑う。

その笑顔は、いつもと違って物静かな雰囲気を天国に映し出していた。

レギュラーは舌打ちする。
早く眼鏡を外すよう言えばよかった。
もうちょっと見ていたいと思ってたばかりに…。



眼鏡をかけたら、天国はかなりの美形であることに 
皆否応ナシに気付かされるからだ。



#####

結局そのまま部室に到着。

「ちーっす。」
「やあ皆…あれ、猿野君、今日は眼鏡を?」
「Hahha〜n、似合ってんじゃねえKa。」

「ほう、雰囲気が随分と変わるもの也。」
「まあアホ面は変わらないのだ!」

「あーんひっどおいv鹿目センパイってばv
 眼鏡っこ萌えで復讐しちゃうぞv」
「…!!」

「あ。」

眼鏡のまま明美化。
しかし神技・瞬間メイクが眼鏡が邪魔でできなかったようで。

鹿目は不覚にも可愛い眼鏡明美に萌えてしまった。


「ふ…不覚なのだ!!」

「兄ちゃん…ちょっとやりすぎだよ…?」
魅力振りまく想い人に、可愛さあまって恨み数倍になってきた1年生。

「おやおや、ダメじゃないか兎丸くん。
 そんな剣呑な眼で。」
「んだよ、スバガキ。怒ってんの?」

何に怒られたのかわからなくて、少し首をかしげる天国(明美)。
これまた可愛らしさ倍増。

「ぐ…っ。」
「さ、猿野くん…。」

まずはヘタレと生真面目からノックアウト。



どしん、と重量感のある音が響いた。


その時、部室のドアが開く。


「失礼する。」


低音とともに現れた影は。


「え?」

その場で振り向いた明美と即効で目が会った。

瞬間。



「…猿ガキ、か…?」



それは、またも硬直した。


                         To be continued…



く…他校登場したのに沢松は出なかった。不覚です;
というわけで本当に久々にミスフル更新です。また半端にもわけちゃってすみません!
総受けって難しいですね…楽しいですがvv

さて、他校生ももうちょっと出しながら、今回はタイトルどおり静かに争ってもらおうかなと思います。

ただし、内心はがんがんぐらぐらどきどきもやもや、ですが(意味不明)

葉柚さま、まだ覚えてくださってこれをご覧になっていただければ本当に幸いです。
物凄くお待たせして申し訳ありません!
来週までには終わらせますので…!!


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